9/14(月)、講師に林篤志さんをお迎えして、オンラインサロン⑤を行いました!
参加者のみなさんお疲れ様でした!!
そして、林さん、貴重なお話をありがとうございました!
今回のオンラインサロン、テーマは【Next Commons Labの取り組みと林さんの失敗から学んだこと】。
前回のオンラインサロン④(照井さん会)に引き続き、今回も「継続的な活動をするためにどういうことが必要か」学ぶため、また、これまでは「秋田県」をフィールドに活動している講師の方々にお願いしてきましたが、全国区で活躍中/事業を立ち上げ、継続しているNext Commons Labの取り組みと林さんの生き様(いろんなチャレンジ/失敗/成功)を学ぶため、講師をお願いしました!
講師紹介
林 篤志 Atsushi Hayashi Next Commons Lab Founder / 株式会社Next Commons Lab代表取締役
2016年、ポスト資本主義社会を具現化するための社会OSを実装するため、Next Commons Labを設立。自治体・企業・起業家など多数なセクターと協業しながら、新たな社会システムの構築を目指す。
2017年より、それぞれの幸せを基準に誰もが小さな社会をつくれる共同体プラットフォーム「COMMONS」を発足。
「日本財団 特別ソーシャルイノベーター」(2016年)/ 「ForbesJapanローカル・イノベーター・アワード地方を変えるキーマン55人」(2017年)に選出。
さらに林さんを知る!
林さんのnote:https://note.com/atsushihayashi
紹介記事:https://colocal.jp/topics/think-japan/innovators-intaview/20170821_101208.html
さらにNext Commons Labを知る!
会社Webサイト:http://nextcommonslab.jp/?fbclid=IwAR2Ie1KjYRmKi7rCMQdmf6cYZzhSqpt5f_dzdBhjdp1pqyZIXHnC9cAJPTI
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事務局サイトウ目線で少しだけ振り返ります!
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今回は
■林さんの生き様
■Next Commons Lab
を学びます!
生き様Part①:意図的に隙間をつくる
愛知県の高専卒業後、エンジニアを目指し、システムをつくる会社(東京)に就職。
ただ入社1年後には、「エンジニアとして自身の役割は僕以外の人でもできる。他に役割を果たせたり、力を発揮できる場所は無いのか」と思い始め、2年で退職。
そんな時に、ある人の
「とにかく何かをやってみなよ。何でもいいからとにかく人を集めてみなよ。」
という一言で、サラリーマンを続けながら「人を集める」ことにした林さん。
広義の意味での「教育」をテーマに勉強会を開催することに。自分が話を聞いてみたい人、且つ普通の人がなかなかアクセスできない人を講師(ホームレスの人・ぼったくりバーの店長・宗教団体の人・ヤクザの組長などなど)に呼んだそう。
(”個性”が強い、興味のある人たちだけど、どれも自分ではアクセスできない(したく無い)人たち。。。)
1年間この活動を継続して行ったそう。そして足を動かして行動することの大切さを学んだとのこと。
そんなこんなで、林さん的おすすめ↓↓
【決まってなくても、「辞めてみる」】
普段、時間・空間・思考も詰まっている状態で、なかなか新しいことを考えようと思ってもでてこない。
”意図的に隙間を作る”ということで勝手に新しい機会がやってくる、新しい考え/行動ができるとのこと。
林さんの実体験からくる言葉は納得感がありますね…。
「考えが思いつかない」と”考えている風”の人もいるのでは?
今回、林さんに教えてもらったように”意図的に”意識して一旦、書き出すなり整理するなり、”隙間をつくる”ための取捨選択の時間をつくることも必要だな、と。新しい発想が生まれないのは自分でその環境を整えられていないんだな、と思いましたね…。
生き様Part②:教え学びあうは人間の根源
\林さんが参画して来たプロジェクト(一例)/
2009年:自由大学 @東京
2011年:土佐山アカデミー @高知県土佐山
2016年:Next Commons Lab @日本全国 /アジア
↑そんなこんなで現在は、「Next Commons Lab」で活動中。
(経歴詳細はこちら:https://newspicks.com/news/4942489/body/)
「皆さんもプロジェクトをやっていく時に、全く新しいアイディアというものはなかなか無くて、既存のもののアップデートか、もっともっと歴史を振り返ると根源は何なのか、そこにヒントがある」というお話も。
林さんは、地方に関わるうえで”地域活性”、”地域おこし”、”地方創生”などはそこまで重要とは捉えていなく、地方を「こんなに面白いフィールドがあるんだ」と感じながら活動をしているそう。東京でプロジェクトを立ち上げるときはソフトコンテンツでさえ、いろんなものの上書きだけど、「(比較的)ゼロベースでできる田舎はなんて面白いんだ!!」と思っているらしい。
そんな林さんは地方に「東京で感じていた希薄さ、寂しさを根本的に埋める方法が田舎特有の地縁血縁にあるのかな」と期待し、「学びの場」をフックにサードプレイスを作ろうと、高知県の土佐山(初めてのローカルプロジェクトの地)で活動したが、結果的に見つかりきらなかったらしい。そしてむしろ「地縁血縁」のコミュニティもどんどん衰退していって、良い面より煩わしさが大きくなってきている、という気づきを得たとのこと。
(身に覚えしかないお話。このコロナ禍でも地方こその生きづらさ(すぐに噂になる、嫌がらせを受ける)も記憶に新しい。)
土佐山も移住者が増えたり、住民が積極的になったりと「”地域”は変わったけれど、社会全体は変わらなし、価値観もなかなかアップデート出来ない」という限界を感じ、もっと根本的なところからやれないか、土佐山という地域だけじゃなく、日本全体でできないかと思い立ち、土佐山を離れ東京に戻ったそう。
生き様Part③:岩手県遠野市へ移住。Next Commons Labの誕生
感覚的に「遠野に行け」と感じ、岩手県遠野市へ移住。
(当時、役員のメンバーの反対も、「絶対何か生まれますよ」と押し切ったそう笑)
そして、【Next Commons Lab】が誕生。(2015年設立)
そんな話で林さんより深いメッセージが。
「所詮、脳みそで考えていること/企画すること/目標を立てるということは、たかだか今僕らが”認知”し、想像できて、さらに言語化できる範囲ってめちゃくちゃ限られている。僕らがこうしたい!と言語化しているものって言うのは、かなり本来感じているものの劣化版だと思って欲しい。つまり、人間の脳みそで”認知”できる割合は全世界の情報量の0.000004%。言語化している時点で相当劣化している。
「よく分からないけど、こう思う。」「よく分からないけど、こうだと思う」という感覚を大切にして欲しい。
言語優位な世界だからこそ、そう言うことを言っていると、「そのロジックて何なの?全然論理的じゃないからだめ」と言う人はいるけれど、半分くらい聞いとけばいい。みなさんが感じている世界、見ようとしている世界はもっと広い、もっと深いもの何だということは当たり前のこと。そこに自分がどう向き合うか。言葉は「武器」なので、自分の感じている方向性に向かうための補強材でしかない。武器としか使うしかない。言葉と言うものを自分のダイレクションだと思ってしまうと、ミス/間違った判断が起きると思っている
Next Commons Labの詳細はHPをご覧いただきたいが、
特定の地域の課題解決ではなく、社会全体をどう変えるか、つまり構造をどう変えるか、にチャレンジしているそう。
社会そのものを新しくつくるというアプローチに2015年に切り替え、「ポスト資本主義社会」という言葉を使っているそう。
そもそもルールチェンジをしていかないといけないし、フレームワーク自体も解体していかないといけない。それは、Next Commons Labメンバーとともに、テクノロジーも用いながら変えていくことができる、と。
さらに、Next Commons Labの一事業である起業家育成事業の例を挙げ、この事業(起業家育成事業)はうまくいっていない既存の「地域おこし協力隊」の制度に目をつけ、制度自体を【ハック】し誕生したとのこと。
既存で行われている制度やスキームって当たり前にあって、当たり前に使っているんだけど、実際はうまくいってなかったりとか、実はそこをあえてハックする、うまく自分たちがする事業/方向性に可変することができる。チートしろ、と言ってる訳ではなくて、法律とかルールの間で慣習的に使われているだけで、実はめちゃくちゃ変えられる可能性がある。
という【ハックする】という方法論を伝授していただきました。
我々はどこに帰属するのか、から考えないといけない。
当たり前に住民税、所得税を払って帰属している先が機能し続けるか、から疑わないと行けない。
地方自治体法が生まれて100年も経っていない。
いつの間にか自治体ができて、国家ができて、学校ができて、教育が生まれた…戦中、戦後にかけての習わしを引きずっているのが今の日本社会のひずみの大部分を占める。
そういった新たな社会を築く上で、こちらも非常に楽しみな取り組み!
2025年大阪万博に向けたプロジェクトも進行中だそう!!
最後に・・・
林さんは、自分が「なんかこっちなんじゃないか」と思っていることを頼りにやってきているそう。
目標や計画はほとんど立てていないそう。
自分の心に従って動いていくと、後々繋がってくるし、やっていけばやっていくほど視界が広がっていく、とのこと。
さらに、ローカルで事業を始める/ローカルでプロジェクトを進めるのは、今はすごくチャンスの時期だそう。
確かに、ローカルは稼ぎにくい、売り上げが立ちにくい事業だが、そこに”評価”が集まる時代じゃない、とのこと。
今事業/プロジェクトを考えているあなたラボのメンバーは、安心できるポイントでしたね。
さらに、
今時代は、「効率は悪いけれど意義はある」「生産性はあるか分からないけどこれはすごく大事だよね」という方に価値が移行していく、移行期である。
よりビジネスというよりは【表現】だとか、【自分の生き様を体現するもの】であったりとか、より【アート】だとか、活動的なものになっていけばなっていくほど、結果的にいろんな人の共感を集められたりとか、お金を集められると思う。そういう可能性のある現場(あなたラボ)に参加し、チャレンジしようしているのは非常に面白いフィールドにいると思う。
とにかくやってみれば見えてくるものがある。
やってみれば、ここは違うな、面白いな、いけるなと見えてくる。
世の中に頭のいい人は沢山いて、色んなことを言っているが、「考える」ということはもっと頭のいい人たちに任せておいていい。頭のいい人たちが実際に形にできるか、行動できるかは全く別のもの。最終的に社会実装していったり、よく分からないけどそこで実験していようと行動している人たちのほうが、世の中に対して何かを提供できる立役者になる。
みなさんにもそういった人になっていただきたい。
というメッセージをいただきました。
質疑応答では、参加者の方から「林さんは何か失敗してきたのか?」という質問が。
林さんの回答は・・・
失敗だらけ。常に失敗はしているけど、失敗したから何なのか。自分の価値観に反するようなことをやってしまう、とか、自分が大切にしているものを傷つけたり、捨ててしまうということは、「取り返しのつかない失敗」だとは思うけど、それ以外の失敗はただの通過点でしかない。自分の倫理観・価値観に反しない限り、失敗ではないと思う。(細々した失敗は沢山してるはずだが、ほとんど覚えていない…笑)
他にも沢山の質問にご対応いただきました。貴重なお話ありがとうございました!
オンライン参加者の声
■実践型の社会学者肌。好きな分野で、たいへん共感を持ってお話を聞けました。自分のオリジナルの言語化ができるか、挑戦してみたい。
■①実践→感性育成、言語化→本を読む、②実践しかつ半分傍観者などすごく共感させてもらいました!
■”言語化する能力を上げるためにはたくさん本を読むこと”という言葉が刺さりました。言語化しないといけないなと思っている中で、その能力が自分には足りないと思っていたので…本を読むのが苦手ですが始めてみようと思います。
参加者の皆さんも個人のSNSで「#あなたラボ」で感想をアップしてくれています!
ぜひご覧ください〜!